劇団新感線の髑髏城の七人 Season 鳥に行ってきた

これは20年前に観た97年版のフライヤーをキャプチャして持ってたもの。

髑髏城の七人 Season 鳥を観てきた。

なんといっても今回の目玉はIHIステージアラウンド東京の360°客席が回転するというシステム。
1300人超のキャパを持ちながら、その観客席が丸ごと回転するという大掛かりな仕組み。
と、いったことはあちこちで紹介あるだろうから、実際に感じたことをいくつか。
ちなみに今回はDブロックのサイド側、前から3列目で観劇してきた。

1.まず、うわさには聞いていたが少し寒いかもしれない。
 長袖を着ていたけど、ひんやり感がある。
 特に前のほうの席だったので、舞台上で霧を発生させる場面ではかなり温度が下がる。
 ブランケットの貸し出しはあるが積極的に案内はしていないし、数がかなり少ないみたい。
 係員に聞きに行ってはじめて出してくれた。

2.音響はよくない。
 正直台詞も歌もかなり聞き取りにくい。
 回転する劇場ということもあり、スピーカーがかなり高い位置に据え付けられており、
 音がこもってしまう。ただ、各座席、前の席の手すり部分にスピーカーが
 埋め込まれており、ここから激しく音が出れば改善するのかもしれない。
 今回はあまり大きな音は出ていなかったと思う。
 もしかしたら後方の席は座席が高い位置になるからもっと聞こえるのかもしれない。

3.回転が分かりにくい。
 開始直後に微妙に動いたが、体感であれ?揺れた?と感じる程度。
 舞台が暗いこともあり感覚的に気持ち悪くなるかも。
 また、上演中は舞台を開いたまま回転すればわかりやすいと思うが、
 ほとんどは舞台と客席の間のスクリーンを閉じ、スクリーン投影上で映像が流れたり、
 それも正逆それぞれの方向に流れたりと感覚が失われがち。
 そこそこのスピードで回ってるみたいだが、スクリーンの境目も含めて一緒に
 回転するためよくわからない。たまに回転にドキッとする。
 
 ちなみに、開演時と終演時は向いている方向が異なり、開演時はサイドから
 入場したが、終演時は舞台正面から退場した。

4.客席の照明が少ない?
 客席の照明だが、これも回転するためなのか、円形の中央を横切る形で上部に照明が
 ついているだけ?その結果前方の客席になればなるほど後ろからの照明となるため
 手元でアンケートの記入をしようと思うと見えにくい。
 駅前劇場に近い感覚。



で、実際の舞台だけど、今回はやはり森山未來の怪演ぶりと早乙女太一の身のこなしが光ってた。
勧善懲悪でいう善の側のメンバーの動きは・・・。

開始の開口は右近健一から。最近は冠徹弥/教祖イコマノリユキが歌うことが多くなっていたが、今回は右近さんの歌声が・・・。
あ、ちょっと高い音が出にくくなってる・・・。

主役の阿部サダヲはちょっと苦しいか。殺陣が苦手感が半端ない。普段の舞台とちがってかなりのちんまり感・・・。
この演目にはちょっと合わないか。

早乙女太一は大衆演劇で殺陣が身近だったりしたのでしょう。刀振り回すのが速く、キレがあるし上手い。
もともとの女形の所作の美しさがあるから、とても映える。

同じく森山未來も。こちらは身体能力が高く、カフカの変身でザムザを演じたときにも感じた奇妙さが天魔王という役柄にマッチしている。
そして台詞の「Exactly」はもはやキャッチコピーレベル。
終盤のこの2人の殺陣は圧巻。

周辺はおなじみのオジサンたちだが、若くないなあ。転球さんも、成志さんも。
成志さんは贋鉄斎として、しっかりやってました。さすがです。
あとねぇ、毎回思うんだけど、梶善さんは新感線に合っていないと思うんだよねぇ・・・。
いつもすごく浮いている気がして・・・。

それに比べて松雪さんは新感線にしっかり溶け込んでいて、艶やか。歌い方もいいしね。

あとは・・・カナ子さんは存在感あるわぁ。髪結いが特徴的だし。
村木仁さんはまさかの生裸ではなかった・・・。

ストーリーは昔見た97年や04年とは違っているのね。いや、もう忘れているんだけど。
WOWOWで年末に撮っておいた髑髏城みなおすとわかるかもしれないけど、天魔王の扱いや蘭兵衛ってもっと違ってたよねぇ。
というか、捨之助の存在感がもっとあった気がする。

で、実をいうとこの演目かなりの数再演しているけど、自分としてはそもそも好きじゃない演目なのです。
初めてみたときも、なんか消化不良感が激しくて、3回目の今回が最も消化不良で。
う~ん。

終演後、あちこちでささやかれた声は「Exactly」。

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