人間風車を観てきた

久々に芝居のことを書こう。(ちなみに書いていないがちょこちょこ芝居は観に行っている)

今回は「人間風車」というお芝居を観てきた。
この演目を観るのは実は3度目になる。

初めて観たのは1997年の12月、紀伊国屋ホール。

これはその当時の画像。主役の平川(右)は三上市郎が演じていた。(凄かった)

この年、秋口に入ったころ、自分は毎週土日を家で過ごしてばかりで、このままではいけないと思い立った年だ。
趣味としてできることとして観劇を選んだ。映画は観に行く人が多そうなので、少し敷居が高いというか、よく知らない世界として観劇を選んだ。
そして5本目に観たこの作品が決定的に観劇の世界にのめり込むきっかけとなった。

この作品は前半のほのぼの明るくコメディ劇中劇から一転して後半の怒涛の惨劇の落差が大きい作品だ。
ケリーとケビン、ワフー、サンマルチノ、勇者オロの物語と流れは同じで前半は進んでいく。
純粋な作家平川が子供たちのために紡いできた物語はどこか教育のピントがずれた物語。
そんな前半と自分の言葉から始まった後半の怒涛のホラー的展開。そして終結させるためのダニーの物語と。

1997年版のストーリーとG2演出の2000年/2003年のストーリーは大筋では同じだが、決定的に違うのがヒロインとラストの扱いだった。
2003年版をみたときに、なんてマイルドになったんだろうと思っていたが、河原雅彦演出の今回のストーリー、演出は事前情報にもあったが97年版に近い。
97年版の自分のメモにはこう書いてあった。

『童話作家は実家に戻ることをきめ、帰ろうとしたその刹那、1本の電話。「で、俺の方の物語はどうなったんだ・・」』

G2版はこの落ちを完全に排除してしまい、アキラも生き残るいい話になっちゃってたので、正直不満が・・・。
しかもG2の2000年版を初演とみている記事が多くて。

で、河原版はこれが原作に近い出来となっていたけど、ビルの話がさいご少しボケちゃっている気がした。
後藤ひろひとも今回は脚本の修正に絡んでいるとは聞いていたけど、こうしたかったのかな?
あとダニーの物語の語りの部分は平川とサムだけのスポットライトになるとよかったかなぁ。

主役を演じた成河。劇場では初めて見たけど演技よし。もっと違う芝居も見てみたいと思った。
ミムラ、ちょっと明るすぎるか。演出かもしれないけど初めての食事会のシーンのあとの自己紹介忘れてたところは大げさすぎるか。
サムの加藤諒。後半の表情は怖い。最期の落下のシーンがまっすぐ落ちてしまったところが身投げ風になればよかった。でも、役にはピッタリ。
堀部、似合う。似合いすぎる刑事。クレオパトラって・・・。
今野。後半の子供たちに襲い掛かるところは、顔つきもあってこれまたいかにもやっちゃいそう。
佐藤真弓。一番最初にでてきてニヤリとしてしまった。主婦も子供もどちらもあまりに自然。
矢崎、演技はいい感じだが、アフタートークは下手だった。結構好きなタイプ。

ま、いずれにしろ2時間半の長さを全く感じない、何度見てもとても惹き込まれる芝居でした。満足。

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